【コラム VOL.８０３】

ドラマの撮影で使われた堰堤が見える河原、ロケ地「宿河原堰堤周辺」

東京都狛江市緒方4丁目付近～神奈川県川崎市多摩区宿河原1丁目付近にある「宿河原堰堤」。多摩川などを水源とし神奈川県川崎市多摩区から川崎市幸区まで総延長32㎞、川崎市のほぼ全域を流れる神奈川県下で最古の人工用水「二ヶ領用水」。その二ヶ領用水に水を取入れる為に多摩川に築かれた2ヵ所の大きな堰堤「二ヶ領上河原堰堤（中野島）」と「宿河原堰堤」。農地への引水のため「上河原堰堤」から用水を取り入れたが、それでも水不足だったため、安定した取水量を確保するために3.5km下流の宿河原に取水口を設け「宿河原堰堤」が築かれました。当初は蛇籠で堰を作り取水していましたが、その後、改良工事が行われ現在の恒久的なコンクリート堰堤となっています。この二ヶ所から取入られた多摩川の水はＪＲ南武線「久地駅」付近で合流しています。川崎市は二ヶ領用水総合基本計画を策定し、環境整備にも取り組み、官民挙げて現代まで大事に守り続けています。またどちらも水場に作られる構造物であるダムと堰堤は細かい定義と役割が異なっており、まず大きな違いは高さで一般的に15m以上の高さがあるものをダム、それよりも低いものが堰堤と呼ばれています。またダムには貯水機能が備わっており堰堤にはないので、そのため堰堤を使って発電することが出来ません。それぞれの役割としてダムの役割は治水、利水、発電、流水の正常な機能維持。堰堤の役割は土砂災害を防ぐ、砂防堰堤の役割（山の斜面や川底・河岸などから流出した土砂を貯めるために作られる堰堤で川の水の流れを緩やかにしたり、斜面崩壊や川の浸食を防ぐ役割を持っています）を担っています。そんな「宿河原堰堤」とその周辺の河原はドラマのロケ地としても撮影で使われたことがあり、これまで何度かドラマ作品に登場しています。2024年放送のNHK連続テレビ小説『虎に翼』で伊藤沙莉さん演じる猪爪寅子が新聞を読んでいた河原で見えていた堰堤として登場しています。2021年放送のフジテレビドラマ『ラジエーションハウスII～放射線科の診断レポート～』、2019年放送の同局ドラマ『ラジエーションハウス～放射線科の診断レポート～』に登場しています。それ以前にも2015年にフジテレビドラマ『デート～恋とはどんなものかしら～』、2012年にTBSドラマ『運命の人』、2011年にNHKドラマ『カレ、夫、男友達』に登場しています。川崎市のほぼ全域を流れる神奈川県下で最古の人工用水「二ヶ領用水」に水を取入れる為に多摩川に築かれた「宿河原堰堤」とその周辺の河原は今後もドラマのロケ地として楽しみな施設ですね。

＜堰堤施設情報＞
施設名：宿河原堰堤
住所：東京都狛江市猪方4丁目付近～神奈川県川崎市多摩区宿河原1丁目付近
2024年現在
※撮影等に関してのお問い合わせは施設管理へ直接ご連絡ください。

※画像はイメージです

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