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【コラム VOL.153】

 

映画『ピンポン』のロケ地として撮影で使われた卓球場


映画『ピンポン』は同名の漫画が原作です。漫画の連載は1996年から1997年で、5年後に映画化されました。原作者は松本大洋さん、監督は曽利文彦監督で、2002年に公開されました。実写版の映画は原作の漫画に沿って忠実に作ってあり、雰囲気まで同じで違和感がないそうです。卓球青春映画ともいうべき映画で、卓球に関してストレートに熱く表現されています。スポーツ系の映画は普通主人公とライバルとの関係に終始してしまいそうですが、この映画は切り口も興味深く、敗者にも敗者のストーリーが書き込まれていて緻密さが光ります。卓球好きが見るための映画というよりも万人受けする映画といえます。

 

ストーリーは自分の卓球に対して自信がある主人公ペコ役が窪塚洋介さん、卓球は暇つぶしとクールに一線を引くスマイル役が井浦新さんというコンビです。このふたりは物語の要で幼馴染という設定です。ロケ地は湘南が本拠地で、随所で「江ノ電」の撮影風景を使っています。高校生卓球部での挫折、栄光、友情を表現した映画で、現代風な印象をうけるのは高校生なのに天才型と努力型をシビアに描きこんでいるせいかもしれません。卓球のイメージをCGのプレイシーンなどを駆使して違うものに刷新しています。撮影期間もかなり短かったらしいのですが、絵コンテで綿密に計画を立てたのだとか。実は監督の曽利文彦さんは現役のTBSCG部に所属する特撮カメラマンなのだそうです。また、主人公を取り巻く卓球選手たち3人が個性豊かにそれぞれのストーリーを描かれつつ、名前もあだ名で覚えやすく何だか微笑ましい感じに名付けられています。卓球に対する選手の実力をリアルに、時には厳しい現実をも表現しています。

 

卓球場のシーンは「卓球会館コイケ」でロケが行われました。こちらは1964年に営業開始し、歴史ある卓球場です。靴やラケットなどレンタルできてすぐにプレイできます。今でもご近所の老夫婦が少し立ち寄って卓球をして帰るという感じで、昭和の香りがしますね。

 

 

 

<卓球場施設情報>
施設名:卓球会館コイケ
住所:東京都世田谷区等々力8-26-25
アクセス:東急大井町線「等々力駅」から徒歩15分、「尾山台駅」から徒歩15分
2018年現在

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卓球※画像はイメージです

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